子宮頸がん 画像誘導小線源治療での変化

背景

国内で定着してきた子宮頸がんの
画像誘導小線源治療 (IGABT)では
高線量率小線源治療がよく使われる。


最近 "婦人科腫瘍に対する
組織内照射併用腔内照射ガイドライン"が
でたように"組織内照射併用腔内照射"も
徐々に広まっている。

子宮頸癌取扱い規約内で
FIGO分類 (2018)の使用へと 2021年にシフトし
国内でも日常使用が増えてきた。

FIGO2018では画像を意識したstageや
傍大動脈リンパ節転移をIII期としたりと
FIGO2009などの歴代stagingから刷新された


過去の報告

2010年代に拡大したIGABTは
GEC-ESTROなくしては語れない。

同グループにより
EMBRACE I, retroEMBRACEなど
様々な報告がなされてきた。

紹介論文

retroEMBRACEのデータからは
多くの解析結果が論文化されている。
今回はこれ👇をみる。
Implementation of IGABT has changed the patterns of relapse after chemoradiation therapy for cervical cancer. The predominant failure after IGABT is systemic, whereas the predominant failure with conventional brachytherapy is pelvic. Effective treatments to eradicate micrometastases in PAN and dista &

IGABT時代 (retroEMBRACE)に入り
かつてのconventional Brachy時代 (UK)
よりもPelveic control、生存割合とも
単純比較だが、上昇⤴️
している


本論文では再発形式に注目している。
患者背景
N=731人
IIB 50.3%,次いでIIIB 19.8%
初診時MRで5 cm以上が45.1%
リンパ節転移ありが40.5% (骨盤39.1%, 鼠径1.5%, 傍大動脈6.4%)
扁平上皮癌が84.8%

治療内容
✅EBRT
骨盤のみ83.7%
15.5% (n=113)で傍大動脈領域照射---骨盤・PANあり(39), PANのみあり(5), 骨盤あり (61), LNなし (8)
線量・分割回数中央値45 Gy・25分割
✅BT
MR based (80.9%), CT based (19.0%)
23%でICBT+ISBT
CTV-HR D90%中央値は87±15 Gy

再発形式の定義
Local = cervix, upper vagina, parametriaからの再発
Regional = pelvic nodesからの再発
Pelvic = Local or Regional
Systemic = PAN以外の遠隔再発
Distant = Systemic or PAN



Figure 1の再発形式のVenn図によれば
30%で再発
があった。

Local = 9.4%, Regional = 5.6%,
Pelvic = 13.1%, PAN = 8.6%,
Systmeic = 20.8%, Distant = 24.1%であった。

Table 1によると、再発の半分以上が2年以内であった。

再発の多くがSystemicであり、conventional BT時代とは変わってきてる。

所感

IGABT時代はこのSystemicへの対処が
成績上昇の要
になってきている。

全身療法としては
当然chemoの使い方が重要となるが、

ASCO発表のあった
OUTBACK trialはmore toxicと
negative🥺な結果であったことは記憶に新しい。

転移・再発子宮頸がんで
免疫チェックポイント阻害薬の波がきて、
その一次治療はChemo+Bevから
Chemo+Pembroへ変わったように、

🇫🇷ATEZOLACC studyなど
免疫チェックポイント阻害薬の
臨床試験結果が注目される。

Figure 3でnode positiveの
Regional, PAN, Systemic再発の差が目立つ。

腫瘍径が大きいとLocalにも影響があり、
更にRegional, Systemicにも差がでてきている。
このあたりは交絡してそうである。

リンパ節再発のリスクファクターとして
リンパ節転移あり腫瘍径を挙げていた論文あった。

注目すべきはLow-risk (I–IIB & N0)と
High-risk (III–IVA or N1)にわけていて、
再発割合が大きく異なる点である。
このあたりは治療戦略強度の
細分化にあたり基準となっていくかもしれない。

ちなみにEMBRACE IIでは概念として
Low, intermediate, highにリスク分類している。