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子宮頸がん 画像誘導小線源治療での変化

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 目次 1.  背景 2.  過去の報告 3.  紹介論文 4.  所感 背景 国内で定着してきた子宮頸がんの 画像誘導小線源治療 (IGABT)では 高線量率小線源治療 がよく使われる。 https://www.jastro.or.jp/medicalpersonnel/guideline/jastro/ JASTRO公認ガイドライン 最近 "婦人科腫瘍に対する 組織内照射併用腔内照射ガイドライン"が でたように"組織内照射併用腔内照射"も 徐々に広まっている。 子宮頸癌取扱い規約内で FIGO分類 (2018)の使用へと 2021年にシフトし 国内でも日常使用が増えてきた。 FIGO2018 では画像を意識したstageや 傍大動脈リンパ節転移をIII期としたりと FIGO2009などの歴代stagingから刷新された PubMed https://pubmed.ncbi.nlm.nih.gov/30656645/ Revised FIGO staging for carcinoma of the cervix uteri - PubMed 過去の報告 2010年代に拡大したIGABTは GEC-ESTRO なくしては語れない。 同グループにより EMBRACE I, retroEMBRACEなど 様々な報告がなされてきた。 EMBRACE EMBRACE studies 紹介論文 retroEMBRACEのデータからは 多くの解析結果が論文化されている。 今回はこれ👇をみる。 PubMed https://pubmed.ncbi.nlm.nih.gov/30940530/ Change in Patterns of Failure After Image-Guided Brachytherapy for Cervical Cancer: Analysis From the RetroEMBRACE Study - PubMed Implementation of IGABT has changed the patterns of relapse after chemoradiatio

直腸がん short-course RTでの待機期間

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 目次 1.  直腸がん 術前療法 2.  LCCRTでの待機間隔 3.  SCRTでの待機間隔 4.  紹介論文 5.  所感 直腸がん 術前療法 直腸がんの術前療法としては 化学放射線療法 (LCCRT: Long-course chemoradiotherapy) と 短期間放射線療法 (SCRT: Short-course radiotherapy) に分かれる。 アメリカ🇺🇸では術前放射線治療プロトコルは 45–50.4 Gy/28fr に5-FUを同時併用する 化学放射線療法 が用いられてきた。 一方 ヨーロッパ🇪🇺特に北欧 (Sweden🇸🇪, Netherland🇳🇱など) を 中心に標準的にLCCRT以外に 25 Gy/5fr のSCRTを 20年前より並行して行ってきた歴史背景がある。 LCCRTとSCRTを比較した代表的試験に以下の3つがある。 1. Polish I trial🇵🇱 2. TROG 0104🇦🇺 3. Stockholm III🇸🇪 低コストで、手術期間が短く、完遂しやすい メリットがある SCRTはこうした臨床試験から LCCRTと全生存期間や局所制御で変わらないことが明らか になってきた。 PubMed https://pubmed.ncbi.nlm.nih.gov/30284239/ Preoperative radiotherapy and curative surgery for the management of localised rectal carcinoma - PubMed このメタアナリシスでは 術前待機期間を長くしたSCRTでは 括約筋温存、局所再発でLCCRTと同等の効果を認め、 R0率上昇、downstagingと関連する ことがいわれている。 術前期間が長いと遠隔転移リスクの可能性が高まるのを心配して 手術までの間に化学療法を行うことが検討され、 Total neoadjuvant therapy (TNT) の概念がでてきた。 http://radiooncol.blogspot.com/2022/02/retal-cancer-t