Complicated bone metastases

紹介論文

現時点でPubMedにはありません。
"ESTRO ACROP guidelines for external beam radiotherapy of patients with complicated bone metastases"についてです。

(6/23追記)PubMedにでました。
Part.1のuncomplicated bone metastasesに続く
骨転移外部照射のESTROガイドラインのPart.2で、
complicated bone metastasesのガイドラインです。

必要に応じて図表は付け足す予定です。

Part.1はこれです。

Complicated bone metastasesの定義

研究により異なるが、
通常(切迫した)骨折、軟部組織腫瘍形成、神経障害などが含まれる。

脊髄圧迫の定義

決まってない。

脊髄圧迫の診断法

脊髄圧迫が疑われる場合、発症後24時間以内に全脊椎MRを実施すべき
MRが難しい場合全脊椎CTを実施すべき

脊髄圧迫の管理

原発腫瘍の早期評価
既知の悪性腫瘍がない場合PSAなどの血液検査、手術、CTガイド下生検、画像誘導下軟部組織生検をする
デキサメサゾン10–16 mgの静注を診断後すぐに開始する
静注後、経口デキサメサゾンを開始容量から10–14日間で漸減
すでにNSAID使用の場合PPIの使用を考慮

脊髄圧迫でのRT, 手術の役割

48時間以内の麻痺で予後3ヶ月みこめる単一部位の脊髄圧迫には緊急外科的減圧固定をおこない、術後放射線治療をするべき
脊髄の不安定性が疑われる場合脊椎外科医に相談
手術適応がない場合、8–10 Gyの単回照射を行うべき
臨床試験外で定位放射線治療をルーチンで使うべきではない

脊髄圧迫の再照射

6ヶ月の間隔があり、累積線量がBED≤100–135.5 Gy2ならば安全である

術後放射線治療の線量分割回数

高レベルエビデンスはないが30 Gy/10分割を使用する

アウトカム推測

脊髄圧迫に対する放射線治療後の生存割合は放射線治療コホートで開発されたスコアリングシステムのいずれかを用いて予測することが可能
放射線治療後の歩行機能の回復は、Rades予後スコアによって予測することができる
Figure 2にdecision tree載せてます


神経障害性疼痛

国際疼痛学会の定義によると
"体性感覚神経系の病変や疾患によって引き起こされる疼痛"

神経障害性疼痛の線量分割回数

神経障害性疼痛には、Conventional RTで8Gyの単回照射を行うべきである。

(切迫)骨折の検査

特に荷重コツの疼痛、変形、身長低下の場合は緊急に画像診断する
明らかな症例では単純X線で、CT, MRがあるとより詳細な情報がえられる

骨折リスク評価

Mirels スコアは骨折の予測値が低く大腿骨以外の長管骨では限界があることを認識した上で、長骨骨折のリスクを予測するために使用
骨折リスクの臨床評価にはMirelsの代わりに30mmの長軸方向皮質浸潤を使用する必要がある
脊椎の安定性は SINS スコアを用いて評価することができる


切迫骨折

解剖学的な局在に関わらず手術、放射線治療の多職種検討のが必要
骨髄腫やリンパ腫では放射線治療単独も考慮

再石灰化への至適線量分割回数

比較データはなく、病的骨折の予防には8 Gy, 20 Gy/5分割, 30 Gy/10分割のスケジュールを用いてよい
再石灰化が治療目的の場合、エビデンスはなく8 Gy, 20 Gy/5分割, 30 Gy/10分割が推奨される。

(切迫)骨折への再照射

手術と再照射または再照射単独を考慮

骨外性腫瘍進展

骨転移の骨外進展による神経障害性疼痛や脊髄圧迫は、これらの疾患に対する特定のガイドラインに従って治療する