Uncomplicated bone metastases

紹介論文

骨転移に関するESTROガイドラインのpart.1で
uncomplicated bone metastasesを扱っています。

現時点でArticle in pressです。
必要に応じて図表は後日付け足していく予定です。



ESTRO guidelines Part.2はこちら

Uncomplicated bone metastasesの定義

サイズに関係なく疼痛がある、病的骨折がない、脊髄圧迫などがない骨転移。

[コメント] 2015のJBOと遜色ない。

Oligometastatic disease

ESTRO-EORTCのコンセンサス分類を使うべき


症候性骨転移の診断、検査について

骨シンチグラフィは症候性骨転移の診断で使用すべき
疼痛が急性発症の場合CTやMRが推奨される
脊椎転移が疑われる場合MRが推奨される。

骨生検

骨病変の診断確定を要する場合CTガイド針生検を考慮
既知の原発腫瘍がない骨転移、分子プロファイル判明により新規治療薬の可能性がある場合生検を考慮

臨床評価

疼痛スコア、疼痛誘発する体位を確認
鎮痛剤の使用と遵守状況
内科外科病歴
PS
予後予測
関連痛を意識した身体診察、CT時に疼痛部位マーキングを検討

奏効評価のための定期的な画像診断は推奨されない

適応、治療目標

鎮痛剤で十分な疼痛コントロールできない場合、鎮痛剤減量が望ましい場合、conventional RTをおこなうべき。
多発骨転移によるびまん性疼痛には単回hemibodyまたは広領域照射を考慮するべき
前立腺癌の有痛性造骨性または混合型骨転移にはRI治療を考慮する

線量分割回数

8 Gyの単回照射をおこなうべき
有痛性骨転移患者における定位放射線治療のルーチン使用を現在までのランダム化試験では支持していない。

有害事象

Conventional RTでは急性毒性がないかあっても軽度であることがほとんどである。副作用の可能性があることが骨転移患者を治療から遠ざける理由にはならない。
Pain flareは1/3に発生し、アセトアミノフェンやデキサメサゾンなどで対症療法管理できる

再照射

RT後少なくとも4週間での鎮痛剤使用の変化を含めた疼痛スコアを評価する。
初回放射線治療後に疼痛緩和が不十分、疼痛緩和なし、疼痛再発の患者には再照射を検討する。


再照射の線量分割回数

8 Gyの単回照射を推奨

疼痛のない多発骨転移への放射線治療の予防的役割

エビデンスはなく推奨されない

疼痛有無に関係なく、定位放射線治療の役割があるか

PIII試験による全生存期間への利益に関してエビデンスは不足しており、リスクとメリットについて慎重な説明を要する。

Oligometastaticな骨転移による疼痛へ高線量放射線治療を用いる根拠

疼痛奏効の点で高線量conventional RTや定位放射線治療が単回conventional RTより優位な点はない。

推奨治療計画

どの技術が優れているという証拠はない